となりの宇宙

a child
a child / colored pencil on paper, others, / 2015

となりの宇宙

2015 | FIGYA  (Osaka)

projector, embroidered on linen, cotton, light stand, balloon, paper clay, paper, curtains and other,

15 seconds animation video (loop play)  the animation made by drawings of my daughter.

 

「あなたと生活することは簡単ではない。
あなたを知り、受け入れ、お互いの時間を共有し、尊重し、ある期間、私たちはとても親密になり、
ともに生きなければならない。」

 

 

家族をつくり子どもをつくり生活をする。
私にはこれが昔から不思議でならない。当たり前の様なことのひとつひとつがどれだけ複雑か。
不思議だからといって否定をして身を置かないわけではない。当然の様にからだのなかを通って行くのだが、不思議なのである。わかるまでに時間がかかる。こどもが生まれた時も同じにわからなかった。猿の様なぐちゃぐちゃと生臭い新生児を抱えて、夫は「幸せだ」と言ったが、私はいまいち同意しかねた。なぜこの状況が幸せなのか。細胞が分裂してだんだんと命の様な物が作られて行くのはそれこそ不思議な事だが、10ヶ月間おなかの中で大きくなるのを実感し、やっとの思いで外に出した。神秘なんて感じている余裕はどこにもない。当たり前の顔をしておっぱいを飲まれ、不安げな眼差しまで向けられると、もはや何がおきているのかもわからない。現実は流れ作業のように過ぎて行く。

こどもが人間の様になってから、絵を描く道具を渡している。
私が彼女と共有できる数少ないできごとのひとつだ。何か描いている。線でも丸でも点でも、痕跡をのこしてくれることは有り難い。何かの跡だからだ。子ども自身の時間が存在していたと実感できる。人でなかった細胞が人になったと感じて、ほろりと感激したのだ。